2017/8/23開催

テーマ:視覚障害児者の学修と暮らしを支える支援技術 ~安全で心豊かな生活のために~

 

この中で子ども達の発表がありましたので、簡単にご紹介します。

 

◆ 堺市立小学校 男子 『生活や学校で困っていること』

 

① 拡大教科書について
  • 良い点:文字が大きく見やすい
  • 悪い点:1つの教科書で3~4冊になり、数冊で10kgにもなる事があり持ち運びが大変である
② 拡大読書器
  • 良い点:
    小さい文字が見やすく、文字が書きやすい。また楽な姿勢で見ることが出来少し小さい字も書けるようになった。
  • 悪い点:
    据え置き型は20㎏程度あり持ち運びが出来ない。またかなり広いスペースが必要で、読書器のカメラの範囲に合わせて別板を置いて本とノートの両方を使えるように工夫している。
③ 単眼鏡
  • 良い点:どこにでも持っていける。
  • 悪い点:見ることろが小さく、ピンと合わせが難しい為 合う人と合わない人がいる。
④ iPad
  • 良い点:画面が見やすい。写真が撮れる。
  • 悪い点:学校での特別な許可が必要で使用制限もある
    (人を写さないように気をつける、画像を撮って確認後はすぐに消す等)
⑤ 理想の授業とまとめ
授業を受けるには色んなものが要る。
広いスペースに拡大読書器、横には拡大教科書を置いて読めるようにし、iPadを読書器の横のモニターに設置出来たら黒板も見やすくなり、書きやすくなるだろうと考えている。
ただ それでも大変なので困った時は誰か手助けして欲しい。
道具を使いたい場所で試したいけれど購入しないと試せなかったり、学校や先生も使う事に理解がなかったりするので結局使えなかったりする。
目の状態は一人一人違うという事を分かって欲しい。

 

◆ 西宮市立中学校 男子 『弱視のしんどさをわかってほしい』

 

① 板書について
  • 授業中に黒板を写す時は単眼鏡を使っているが、一度に3文字くらいしか見えず、それを数文字ずつ覚えてノートに写している。

  • 黒板に書かれている文字に癖があったりして間違って書き写していることがあるが、自分では気づけない。

  • 図やグラフになると全体を見ることが出来ないので写すのはとても難しい。

  • 副教材、問題集、ワーク等は拡大版が無い為 非常に困っている。
    その都度iPadで写真を撮って拡大しながら問題を解いている為、必要以上に時間がかかる。
 
② 申し入れに対する学校側の回答
1.板書プリントをもらって手元で見ながら授業をうけたい
  • 回答:
    培っていかなければいけない力、辛いかもしれないがしっかり見て頑張ってやってほしい。

    読み上げはしないし、板書プリントも用意出来ない。

    板書計画は教師が自分のために準備するもの。生徒のために作って与えるものではない。
 
2.拡大読書器を購入して欲しい
  • 回答:一人のためだけに、そんな高いものは買えない。  
            →学校に入って来るなと言われているように感じた。
 
③ まとめ
見えづらさがある児童、生徒には弱視学級在籍の有無にかかわらず、板書プリントや拡大読書器が用意されると学習しやすい。
また、読み上げをしてもらえれば解ける問題もあるので、可能になったらいいと思う。
最後に、これから入学してくる後輩たちが学習しやすい環境になり、僕たちのことを理解しようとしてくれる世の中になってほしいと強く思う。